philosophy


Triq pinA philosophy



現代の情報化社会には、あらゆる顔が存在する。


匿名で紛糾する大人達。

盛りメイクや過激な露出で人目を引こうとする少女達。

架空のキャラクターに扮するコスプレイヤー。



様々な趣向によって作られた顔達は何処へ向かっているのか。

顔達の裏側にある心は満たされるのか。

そこにアイデンティティは存在するのか。



他者に見せる顔。

大切な人だけに見せる顔。

鏡に映る自分だけが知っている顔。


人は誰しも、幾つもの顔を使い分ける。

顔を使い分ける事によって、

コミニュケーションを円滑にし、自分を守り、

ひいては大切な人を守る事となる。



他者からどう見られ、どう捉えられ、どう認められるのか?



客観は、個人にとって非常に大きなテーマだ。

だから、人は鏡を見る。



そして、他者が決して覗く事の出来ない心の深淵は、

自分だけが覗ける聖域。

この聖域こそが主観、自己アイデンティティであろう。



自己を映し出す客観という鏡と

主観という鏡を向かい合わせに立たせる。

対峙する合わせ鏡。



無限に映し出される像は、ジレンマそのものである。



そのジレンマから脱け出す為のメタモルフォーゼ。





【Triq pinAプロフィール】

岐阜県出身、歯科技工士。

歯科技工の技術を活かした装身具の製作をする。

人が鏡を見ると言う行為に着目。
2013年より、独学でラテックスマスクや羽根の装飾を施した仮面を作り始める。

自らを客観的に捉える為の表面と主観的に捉える為の裏面をデフォルメしたものが仮面である。

客観と主観の狭間に存在する差異(ギャップ)、その差異に感じる葛藤(ジレンマ)を造形する。

                 

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